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学ぼう!!株式投資!!~株式の基礎知識~

03 財務諸表について

会社の財務状況を把握するには

上場会社のIRサイトを活用する

主な財務指標が簡潔に掲載されている「会社四季報」や「会社情報」を書店で購入すれば、全ての上場会社の財務情報を把握できます。
また、上場会社のホームページのIR情報や投資家向け情報サイトなどに掲載されている「決算短信」や「有価証券報告書」には財務諸表が記載されています。

イメージイラスト 上場会社のIRサイトを活用する

貸借対照表

決算期末での会社の財務内容を表している

株式会社とは」のページでご紹介したとおり、株式会社は「資本」という資金提供を受けるか、「負債(債券を含む)」として資金を借りるか、それらを組み合わせながら、事業資金を調達します。調達した資金は、機械や建物などを購入する費用に当てられたり、そのまま運転資金として、「現金・預金」という形で保有されたりします。資本や負債が、どのように姿を変えているかを表したのが「資産」です。株式会社は、この資産をもとに製品を作ったり、サービスを提供しながら収益を生み出します。
一般的に、会社は1年を単位として「本決算」を行い、全ての「資産」「負債」「資本」の状況を算出します。決算日の「資産」「負債」「資本」を一覧にしたものを「貸借対照表」と呼びます。現在、上場会社は「本決算」以外にも3ヶ月に1回、四半期ごとに決算を行い公表することが義務付けられています。

図説 貸借対照表

さらにプラス知識を
会社が大きな資金を必要とするときは

工場の新設や、他企業の買収など、自社の手持ち資金を上回る大きな金額が必要となった時に、資金を調達する手段として主に2つの方法が考えられます。


1.負債による資金調達

銀行から、または社債を発行しその購入者から、借金をする方法です。借りる際に予め取り決めた利息を支払い、期限が来れば返済しなければなりません。


2.資本による資金調達

株式を新たに発行(増資)して、その購入者から購入金額相当額の資金提供を受ける方法です。株式を新たに発行することで、株数は増えることになります。現在では、新しく発行される株式の価格は、新株式発行時の株価を参考に決められるのが一般的です。


増資をしても利益が増えなければ、1株あたりの利益は減少してしまいす。増資以前からの株主にとって望ましいことではありません。そこで、増資を実施する会社は株主や投資家に対し、資金使途や成長戦略などを説明することで、増資を行う意図に賛同してもらう必要があるのです。

損益計算書

会計期間内の収益・費用の計上

商品の販売時や、提供したサービスを基に収入を得た時点で、「収益」が計上されます。また、収益から、商品を製作した際の部品代や従業員の給料など「費用」を除けば、「利益(または損失)」となります。経済ニュースなどで「売上高50億円の会社」といえば収益が50億円の会社、とほぼ同じ意味ですが、費用が60億円かかっていれば、10億円の赤字会社になってしまいます。収益(売上)は大きいけれど、赤字を何年も続けている会社より、収益が小さくても、黒字の会社のほうが、一般的には良い企業と評価されます。このことから売上高だけでは、会社の実態は分からないと言えます。「利益」がどのような「収益」と「費用」から生み出されたかを表しているのが「損益計算書」です。

図説 損益計算書

さらにプラス知識を
売上が増えれば利益も増える?

一般的に、売上(収益)が増えれば、利益も増えます。(売価が仕入れ値を下回る=赤字の商品を販売するケースを除く。)しかし、売上の増加率と、利益の増加率は比例しているわけではありません。例えば商社と製薬会社の収益構造を比べてみると・・・

商社…他から購入(仕入)した商品を転売します。売上が増加すると費用も増加するため、利益の増加は僅かに留まります。

製薬会社…医薬品の開発には多くのお金がかかります。しかし普通は、販売価格に比べ原材料の価格は非常に安価です。医薬品の販売が認可され製造が始まると、売上の増加につれて、利益も大きくなる傾向があります。

費用は「売上の増減によって変わる部分」(変動費=仕入や原材料費など)と「売上の増減によらず安定的に必要となる部分」(固定費=人件費や家賃など)に分けて考えることができます。 売上や利益との比率など収益構造を見ることによって会社の特徴を掴むことができるのです。

キャッシュ・フロー計算書

「現金を基準にして、どのような要因で現金が流れたか」を示したものをキャッシュ・フロー計算書といいます。

企業は「本業」(営業活動)以外に、設備を増強したり(投資活動)、借金を返済したり(財務活動)と、様々な活動をしています。異なる時期の貸借対照表を比較すれば、その期間でどれだけの資金が増減したかを知ることは可能です。しかし、貸借対照表の比較だけでは、資金増加の要因まで知ることは難しいのです。(儲けによる増加、生産設備などの売却による増加、借金による一時的な増加や、その組み合わせなどが考えられます。当然、儲かってお金が増えるのが最も望ましいですね。)同様に損益計算書からは、期間中の収益がどれくらいあったかを知ることはできますが、それが現金で入ってきたのか、「つけ(売掛金)」になっているのかは分かりません。
そこで「現金を基準とし、その増減要因を示す」キャッシュ・フロー計算書を合わせて見ることによって、企業の状態をより深く知ることができるようになります。
一般的に、成長している企業のキャッシュ・フロー計算書は、

・営業活動によるキャッシュ・フロー(プラス):「業績好調」
・投資活動によるキャッシュ・フロー(マイナス):「今後の成長に備えて設備を購入するため現金は減少」
・財務活動によるキャッシュ・フロー(プラス):「借入等により現金増加。多少余裕ができれば返済するため、マイナスになることも」

となることが多いようです。

財務諸表からいろいろなことが分かる

貸借対照表(決算期末の会社の財務状況)と損益計算書(会計期間内の収益と費用の計上)は、基本的な財務諸表です。2つを合わせてみてゆくと、様々なことが分かります。たとえば、資産が小さい割には利益が大きい(新しいアイデアが評価されているのかも)、資本に比べて負債が多い(借金の返済は大丈夫かな)など、一定の基準を複数の会社に当てはめて比較することで、違った見方が出来るかもしれません。

さらにプラス知識を
配当が多いのは良い会社?

株式への投資目的の一つが「配当金」です。しかし会社から見れば、株主に配当金を支払うよりも、その資金を使ってさらに会社を大きくした方が良い場合もあります。その結果、株価が上昇し、株主にとってメリットが大きくなることもあるからです。
利益をどのように分配するかは各社の方針によって違います。決算短信に「利益分配に関する基本方針」の記載があり、各社の方針を確認することができます。

さらにプラス知識を
配当が増えるのは良いこと?

配当が増える(増配)のは、株主にとって歓迎すべきことですが、注意すべきこともあります。例えば、利益が増えていないのに配当が増える場合です。このようなケースでは、会社が「これ以上投資をしても利益を増やすことはできないので、資金を配当として分配してしまおう」と判断しているのかもしれません。 また稀ではありますが、敵対者から買収されそうな会社が、配当金を高くすることによって意図的に資金を流出させ、買収先としての魅力をなくそうとしているのかもしれません。増配の発表により株価が上昇することも多いのですが、増配の理由を確認すべきです。

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